シヌシヌ詐欺

 

 

私のメンヘリーな友達が彼女のまたメンヘリーな友達の話をしている、

 

「彼女は電話かけてくるたんびにタヒぬタヒぬ言うのよ、シヌシヌ詐欺だよ全く。こっちはそれどころじゃないってのにもー。」

 

 

 

今まで私の周りにいた人達は皆私の病気のことを知ると、腫れ物に触るような態度になるか、嘘だと思って無かったことにする。

彼等の態度を責める気などない、彼らからしたら、知らないし、経験したことないし、説明されてもわからないし、目に見えないし、なモノにどう接したらいいかなど分かるわけがない。

 

そういうわけで世間でいうところのセンシティブなのでジェントルに保たなければならない内容を、“詐欺”とは。

 

その言葉を聞いた時に私はなんか楽しく感じ、安心した。

彼女は決して相手にタヒねと言っているわけでもなく、思っているわけでもない。相手の言動を無視せず美化せず正直に淡々と受け止めている。

 

“人間は物事に名前を付けるとそれを意識するようになる”

とどこかで聞いた。

アドラーさんの「課題の分離」といい、この「シヌシヌ詐欺」は私の中にしっくりきた。

 

詐欺という、してはいけない言葉なのに詐欺であってほしい。  

 

このユーモア。

 

何人も自タヒで周りの人間をなくした彼女の性格がでている気がした。

私とは少し違う彼女の気持ち。

私は他人に対してあえて生きていて欲しいと思うことはめったにないが、彼女には生きていてほしいと思った。