二度と会えないことが何でこんなに悲しいんだろう。
二度と会えなくても自分の物理的な生命活動にはなんの支障もないのに。
二度と会えなくてもお腹はすくし、眠くなるし、息もしてる、目も見えてる、耳も聞こえる、声も出る、匂いも分かる、手も足も動く、心臓も元気に動いてる。
いつものタヒの恐怖が起き上がる。
こんなにしょっちゅうおののいてるのに、この歳になってもまだ、誰かのタヒに目に立ち会ったことがない。
後からのタヒ顔は何回か見た、怖くてほとんど覚えてないけど。
私が怖がりだから怖い場面から遠ざけてくれてるのかな。
なんて、
んなわけはない。
人と絶縁すると少しホッとする、その人のタヒに目に立ち会わなくて済むから。
情より恐怖が勝る。
お葬式も好きじゃない。
もう会えないのに「会いに行く」とかちゃんちゃらおかしいと思うから。
もういないのに祀ってどうすんの?
集まっても主役いないのに変じゃない?
生きてる間の後悔がそうさせるのか?
生きてる間に集まればいいじゃん。
ちっとも楽しくない。
だから行かない。
会えないなら行かない。
逃げ続ける。