かすかな記憶
私が3歳の時、浜辺で迷子になった私を肩車して歩いてくれた若いお兄さん二人
ありがとう
高い所から見えた私を探す父の姿
私が小学生の時、たくさん人がいる市営プールで人知れず溺れかけていた私の手を掴んで手すりに捕まらせてくれ、何も言わずにいなくなった人
ありがとう
あなた達の様に成りたかった
どこの誰かも知らない
顔も覚えていない人
私の記憶の9割は嫌なものばかりの中
そんな人達の事を覚えている
それが唯一の誇り
あなた達のおかげで
感謝する事を何とか覚えていられる
19歳の私がバイトを辞めるとき
手書きの卒業証書を作ってくれた店長
ありがとう
その時は摂食障害で頭が一杯でその時の感情をいまいち覚えていないけど、その時もらった卒業証書はまだ持ってる
頼まれもしないのに私に関わってくれた人達
あんまり覚えていないけど
ありがとう
たぶんその時どき私はちゃんとお礼が言えてなかったと思う
その後、あなた達の様になれたらいいなと思ったけどなれなかった
その後、打算なく人に接することが私には出来なかった
私には備わらなかった
せっかく種をまいてくれたのに
ちゃんと咲かせられなかった
根が腐っていたか
世話が足りなかったのか
花は咲かなかった
でもありがとう
こんな所で言っても届かないけど
ありがとう
私まだ生きてます
取り急ぎ報告まで。